2012.06.11

所在調査手続きについて

こんにちは。

石川事務所の加藤です。

事務所の取り扱い業務の中で、遺産分割協議の取りまとめ業務を行うにあたり、外務省の所在調査という手続きを行いました。今回は相続人の中に、現在の住所・居住地・連絡先等が全く分からない相続人がいたため、まずはその方を捜索する事から始まったのです。

今回の手続きは、ある一定の期間の中(まずは遺産分割協議を取りまとめることに集中する旨をお客様にもご了解)で行わなければならない理由があり、裁判所の決定により相続財産管理人等の手続きも検討しましたが、期間がかかるため、従来通りの相続人の所在を戸籍等から捜索する方を選択しました。

戸籍より所在を捜索していくと、所在不明の相続人が現在は、日本ではなく海外に居る事がわかりました。ここで一つの難題が!!日本の戸籍、住民票では海外の居住地の詳細は表記されず、また役所等では管理がされておりません。海外へ出た方が今どこで暮らしているのかが全く管理されていないのです。管理体制には些か疑問な点もありますが。。。

そこで、どのように捜索するか四苦八苦していると、外務省で所在調査を行う手続きがあることを知りました。そこで、早速、外務省へ問い合わせ、所在調査の手続きを進めるようにしました。しかし、こちらも、海外にある大使館へ在留届を提出している方が対象(長期で行かれる方は必ず提出しているかと思います)で、また、相手がその所在調査へ応じない限り、こちらには捜索者の住所・連絡先は知らされないものです。また、手続きには1ヶ月~2ヶ月の期間が必要とのこと。期間も迫っていたので、その他の方法も同時に検討しながら、外務省での所在調査を進める事にしました。必要な書類を整え、所在調査の申し立てを行いました。本当にいるかも分からなかったため、非常に不安な期間が長く続きました。

そんな中、1ヶ月少し経過した頃に、外務省より所在調査の結果が出ました。結果は、現在の住所、連絡先を教える事に相手側が応じて頂けたとのお知らせでした。まずは、1つの難関を何とかクリア出来たのです。

次の難関が、今まで音信不通の相続人の方に、遺産分割協議書にご納得頂き、遺産分割協議書へ印鑑を押して頂く事が待っていました。こちらも、時間をかけてですが、何とかご了解頂き、無事に捺印まで終えることが出来ました。

事務所としても初めての経験でしたが、何とかゴールが見えてきたところです。

現在の日本の手続上、日本から海外へ出た方の正確な住所等を管理する役所等がないため、ご家族が情報を知らない限り、行方不明者に近いものとなってしまいます。

今回は、運良く外務省の所在調査手続きにより、該当者の所在等を特定することが出来ましたが、あくまでも運が良かっただけです。今後、このようなご家族は増えていくように思います。このようなケースを回避するためにも事前に遺言書(自筆証書・公正証書)を残しておくことを強くお勧めいたします。それでも、海外へ簡単に行くことが出来るようになった現在、同様のケースでお困りになられている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか!?

何かお困りの事がありましたら事務所までお問い合わせください。

今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

石川事務所 加藤

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