2016.10.05

信託NOW!vol,1

こんにちは。

今回は資産承継解決策の実例を紹介いたします!

【家族構成と状況】
https://mi-g.jp/mig/office/download/id/997?office=h6GZ6PfubcM%3D
→画像も一緒にご覧ください。

Aさん(夫):自宅(不動産)現金1,500万を所有 年金あり

Bさん(妻):現金1,500万を所有 年金あり

Cさん(甥):ABにお世話になったこともあり、老後を心配している

Dさん(姪):ABにお世話になったこともあり、老後を心配している

AさんとBさんの間に子供はいない

Aさんには兄弟が5人いる

Bさんには兄弟が15人いる

Aさん(老人ホーム)Bさん(体調不良で入院中)ともに、認知などはない

【問題点はなに?】

①相続人が大勢いるので、遺言書への捺印、戸籍の収集など多大な時間を要する

②仮に遺言書を作成しなかった場合、争族勃発の可能性がある

③後見を考えた場合、不動産が売れなくなる可能性がある

④遺言で死後の不安はなくなるとしても、生前の生活資金等の不安は払拭できない

【もともとのオーダーは遺言書の作成だった!?】

依頼の内容は、遺言書の作成でした。たしかに、生前の対策としては、王道と言える対策でしょう。
しかしです!上記問題点①や④の解決にはつながりません。

そもそも、今回のオーダーは、Aさん(夫)の不動産を将来的に現金化しやすく、老後の費用に充てられる方がいいというものでした。

そうなると、問題点③後見という方法もいかががなものか。。。ということになるのです。

かといって、問題点②遺言を遺さなかった場合、死亡後、遺産分割協議となり、これもまた争族のはじまりとなりかねません。

【だから信託】

そこで、私どもが提案したのが、信託をベースにしたソリューションです。

スキームは、以下のとおりです。

(Aさんの財産について)

①Aさん(夫)の現金のうち500万円と自宅不動産をCさん(甥)に信託します。

②Cさんは信託財産を管理・運用し、Aさんが存命中は、Aさんに収益を渡します。

③Aさんが亡くなった後は、Bさんに収益を渡します。

④信託が終了したら、CさんDさんに財産が1/2ずつ渡ることになります。

(Bさんの財産について)

①Bさん(妻)の現金のうち500万円をCさん(甥)に信託します。

②Cさんは信託財産を管理・運用し、Bさんが存命中は、Bさんに収益を渡します。

③Bさんが亡くなった後は、Aさんに収益を渡します。

④信託が終了したら、CさんDさんに財産が1/2ずつ渡ることになります。

こうすると、Cさんは、信託財産を管理・運用できるので、不動産の現金化も可能となりますし、AさんBさんの老後の心配も軽減されます。

【信託は万能ではない】

ところが、これだけでは、完全な解決とは言えません。

例えば、Aさんが信託した不動産から家賃収益があがったとします。
その収益が信託口口座に入金されている時点では問題ないですが、そのうちの幾ばくかを切り離し、Aさんの個人口座に預金として入れると、これは信託でカバーできる範囲を超えてくることになります。

また、Aさんの年金なども、信託だけではカバーできません(信託財産ではないので)。

そこで、信託でカバーできない範囲の財産については、遺言という形で、包括的な承継を担保させるのです。

具体的には以下のとおりです。

(Aさん)

①Aさんは、全ての財産(主に年金)を対象として遺言を作成

②Aさんが亡くなった場合は、Bさんに財産が移転

③ただし、Bさんが亡くなっていれば、CさんDさんに1/2ずつ移転

④手続は、Cさんが行う

(Bさん)

①Bさんは、全ての財産(主に年金)を対象として遺言を作成

②Bさんが亡くなった場合は、Aさんに財産が移転

③ただし、Aさんが亡くなっていれば、CさんDさんに1/2ずつ移転

④手続は、Cさんが行う

このように、信託+遺言という形で、より要望に近い解決案を提示することができるわけですね(兄弟が多いという点は、遺言執行者をCさんにすることで、その手間を省くことができました)。

以上、信託による資産承継解決策の実例紹介でございました。

今後も定期的に更新していく予定ですので、何かございましたら弊所までご相談くださいませ。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

Square1株式会社
司法書士法人石川和司事務所

坂野弘樹

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