2016.04.04

スクイーズアウト(少数株主の排除)の手法

スクイーズアウト(Squeeze Out)とは、もともと「閉め出す」という意味があり、M&Aにおいて、ある会社の株主を大株主のみとするために、当該会社の少数株主に対して金銭等を交付することで当該企業の株主から強制的に閉め出す(排除する)手続きを指します。

スクイーズアウト手続きを行う場合の手法としては、以下のようなものが挙げられます。

①現金対価スキーム(排除される少数株主に対価として現金を交付する)
【特別支配株主の株式等売渡請求】
平成26年会社法改正により、新たに創設された制度。
当該会社の総株主の議決権の90%以上を有する株主(特別支配株主)は、他の株主の全員に対して、その株式の全部を特別支配株主に売り渡すことを請求できる。

【株式併合】
10株を合わせて1株にするように複数の株式を合わせてより少数の株式とする行為。
平成26年会社法改正により、「事前開示・事後開示制度」「差止請求制度」「反対株主による株式買取請求」が導入され、少数株主保護制度が新設された。

【全部取得条項付種類株式】
現在発行されている株式に全部取得条項を付し、当該社会が株式をすべて取得した後、大株主には他の種類の株式を交付し、少数株主には、端数処理した上、金銭を交付する。
多くのスクイーズアウト手続きで採用されている手法。
平成26年会社法改正により、「事前開示・事後開示制度」「差止請求制度」「株主への通知制度」「取得価格決定申立規定」等が導入され、少数株主保護の充実が図られている。

【現金株式交換・現金合併】
対象会社を株式交換完全子会社・吸収合併消滅会社とする株式交換・吸収合併を実施し、少数株主に対し対価として現金を交付する手法。

②株式対価スキーム(排除される少数株主に対価として対象会社の親会社株式等を交付する)
【株式交換・三角株式交換/合併・三角合併】
対象会社を株式交換完全子会社・吸収合併消滅会社とする株式交換・吸収合併を実施し、少数株主に対し対価として株式交換完全親会社・吸収合併存続会社の株式またはその親会社の株式を交付する手法。

スクイーズアウトは実施し、少数株主を排除することで、意思決定の迅速化・中長期的な経営を実現することが可能になります。
その一方、少数株主の承諾なく強制的に株式を取得し少数株主を排除するので、少数株主の利益保護を確保するために慎重な手法の選択し、手続きを実行する必要があります。

各手法の詳しい法務手続きやスケジュール等、ご質問・ご不明点がありましたら、お気軽にご連絡ください。

 

 

Square1株式会社
司法書士法人石川和司事務所
司法書士 小林哲士

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