2010.09.22

遺言・遺産分割協議

最近、当職において作成関与した遺言者がお亡くなりになって遺言の執行をするというケースが相次いでおります。

遺言の内容はさまざまであります。

特定の不動産については帰属者を決めて残りは相続分を指定したり、兄弟姉妹

ごとに細かく取得財産を指定したり(遺産分割の方法の指定と言っています。)と本当にさまざまです。

遺言の中に、付言事項というものがあります。遺言の法律的な役割は、財産権をどのように相続させるかという遺言者

の最終意思(遺志)の表明ですが、人間的な意味での最後のメッセージという重大な役割があると思います。

残された人たちに「思い」を伝えるのが遺言の付言事項ということになるのですが、

財産の分け方についての考え方がそこで述べられたり、お礼を言ったり、苦言を呈したり、

そのため付言事項に思いを込める方は結構いらっしゃいます。

以前、ご夫婦それぞれ遺言を残すという場面に立ち会いをしたとき、公証人が読み上げる付言事項の内容があまりにも

感動的でご夫婦の情愛の深さを実感し溢れ出る涙を抑えられなかった記憶があります。

遺産分割をする際に、遺言者の思いを汲みながら残された者たちが円満に遺産分割協議を成立させること

それは、遺言者の思いに対する唯一の応えであると思うときがあります。

青臭い考えだと承知のうえで、一人の人間が死してなお伝えようとすることの持つ意味は大きいのではないでしょうか。

石川和司 

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