2014.05.14

利益相反取引について

いつもお世話になっております。

石川事務所の小池です。

利益相反とは、「取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき」に起こります。

たとえば、会社所有の不動産を、取締役が購入する。逆に、取締役の所有する不動産を会社が購入する。

または、会社所有の不動産を、取締役が賃借する。逆に、取締役の所有する不動産を会社が賃借する。

あるいは、会社からの取締役への金銭の貸し付け。

この場合、会社に不利益な取引内容になる可能性が大いにあるため、会社としてその契約を承認するかどうか、決議しておかなくてはいけません。

取締役会設置会社であれば取締役会、非設置であれば株主総会を開いて決議します。

取締役会の際、取引の当事者として該当する取締役は、定足数として数えられず、決議に参加できませんし、議長にもなれません。

その他、会社所有の不動産を、取締役の債務のために担保に入れるときも利益相反にあたります。

このとき、会社と取締役の両方が債務者となる場合でも該当しますので注意が必要です。

上記に挙げた議事録は、押印した取締役の印鑑証明書を添付して、所有権移転や抵当権設定の登記の際に、法務局にも提出します。

担保物件の差入れに関する議事録は、融資を行う金融機関からも提出を求められます。

このように書くと面倒な感じも受けますが、株式会社であれば、きちんと決議を取った議事録さえあれば、認められるということです。
(決議をしている以上、「自己責任」ということでもあるでしょうか)

では、その他の法人ではどうでしょうか?

法人と理事の利益が相反する事項に関しては理事は代理権を持てません。

この場合、所轄官庁や都道府県知事が、特別代理人を選任しなければならないとされています。

特別代理人選任請求書を添付書面を添えて提出することになります。

手続きが変わるだけ?と思われるかもしれませんが、そうではありません。

医療法人の場合、そもそも、医療法人の業務の範囲として行いうることが医療法によって定められているため、医療法人の所有する不動産を貸し付けたり、医療法人の所有する不動産を理事個人の借入に対して担保提供したりということ自体が認められません。

その他、医療法人所有の土地の上に、理事個人の所有建物を建てることや、共同住宅を建てて賃貸することなども認められておりません。

株式会社等と同じ感覚でいると、つまづくポイントです。

これってどうなんだろう?この話はこのまま進めて良いのかな?など、利益相反取引に関するお問い合せや、議事録の作成等、承りますのでぜひご相談下さい!

 

司法書士法人石川和司事務所
小池生子

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