司法書士法人石川和司事務所

休眠担保の抹消

みなさまこんにちは。石川事務所の田中です。

 

さて、今回は、私が依頼を受けた休眠担保の抹消について書いてみたいと思います。

休眠担保とは、古い抵当権、放置された昔の抵当権のことをいいます。

数十年前のものもあれば、明治・大正時代のものもあります。

この休眠担保が登記簿上残ったままになっていると、不動産の売却等の処分をすることが出来ずに大問題になります。

 

例えば、親から相続した不動産を売りたいと思ったときにに休眠担保が残っていて売れないというような場合です。

このような休眠担保は、だれが設定したのかわからないといった場合も少なくありません。

事案により抹消方法は異なりますが、手続きが複雑になる場合もあり、なかなか苦労するものです。

 

私が実際に受けたのは、不動産を処分したいけれど、昭和初期に設定されている担保権がいまだに残っているので処分できないという案件でした。

抵当権者は、個人の方で、全く連絡がとれません。

そもそも、昭和初期に抵当権者となる年であると考えると、ご存命かどうかも怪しいところです。もし、お亡くなりになっていれば、その相続人が債権を承継しますので、抵当権も相続人に移転していることになります。

そうすると、その相続人を見つけ出し、抵当権の抹消に協力してもらう必要が出てきますが、これには大変な労力がかかります。

登記簿上の住所と名前しか手掛かりしかない中で、さらにその相続人を探し出して登記に協力してもらうのは、非常に困難です。

 

そこで、不動産登記法70条3項の規定により抵当権者の協力なくして抵当権を抹消する方法をとりました。

流れとしては、以下のようになります。

 

1.登記義務者が所在不明であることを証する情報を取得又は作成する。

2.現在の債務の額を計算して供託する。

3.供託所正本をつけて抹消登記を申請する。

 

この中で、私が一番苦労したのは、1のところです。

物の本では、所在不明を証するためには、まず、市区町村長が作成する証明書が望ましいとしています。

役所に問い合わせてみたところ、所在不明の調査は今までしたことがなく、そもそも出張でそのような調査は出来かねると言われてしまいました。

そのほかの方法として、警察官が調査する場合や、民生委員が証明といったものもありますが、いずれも対応してもらえませんでした。

ですので、実務上多く使われている方法ですが、抵当権者の登記簿上の住所に充てて被担保債権の受領催告書を配達証明書でおくり、「宛所に訪ね当たりません。」として返送されてきた封筒をもって、所在不明を証明しました。

これでやっと供託と抹消登記ができます。

 

従来から休眠担保の抹消の問題は認識していましたが、実際に依頼を頂くと担保を抹消しないと売れなくて困っているというのは切実な問題です。

司法書士として、所有者のために寄り添って、事案に見合った対応をすることが求められていると改めて感じました。

 

司法書士法人石川和司事務所

田中健太

お電話でのお問い合わせはこちら

0120‒13‒4433

(営業時間 平日9:00~18:00)