司法書士法人石川和司事務所

甘利大臣辞任

TPP交渉で国際的にハードネゴシエーターと恐れられた甘利経済再生担当大臣が閣僚の職を辞された。

理由は、1200万円のお金を受け取ったということだそうだ。

日本では真剣に仕事をする政治家にはスキャンダルによって失脚させるというシステムが厳然とあるようだ。

甘利大臣の功績、能力を考えると職を辞するということは国益を損なうことを考えて辞任することが本当に解決の方法だったかを冷静に考えたい。

 

マスコミはいつも金科玉条のように「政治と金」といって政治家を糾弾する。

河合隼雄氏の書かれた「心の処方箋」(新潮社)には「100%正しい忠告は、まず役には立たない」ということだ。

 

政治家も生身の人間である以上感情の起伏もあれば、間違った判断もすることがある。

大事なことは、その政治家が国家観を持ち国益のために身命を賭しているかということだと思う。

甘利大臣は間違いなく身命を賭して職務に当たっていたと私は考えている。

 

先日、石原慎太郎氏が田中角栄を一人称で語らせた「天才」という小説を読んでみた。

本当に角栄が語っているように権力者の悲哀、権力に対する嘆息が描写されている。

 

「竹下たちが俺を裏切ったとは思わない。ただ離れていったということだろう。それは所詮彼等にとっての利得の問題、人間の弱さということだ。それを咎める術などありはしまいに。

そして俺はあることを悟った思いでもあった。

ああ、権力というものは所詮水みたいなものだ。いくらこの掌で沢山、確かに掬ったと思っても詮ない話で、指と指の間から呆気なく零れてきえていくものなのだなと。」【天才 石原慎太郎(幻冬舎)】

 

石原慎太郎氏は、長い後書きの最後に、次のように締めくくっている。

「いずれにせよ、私たちは田中角栄という未曾有の天才をアメリカという私たちの年来の支配者の策謀で失ってしまったのだった。歴史への回顧に、もしもという言葉は禁句だとしても、無慈悲に奪われてしまった田中角栄という天才の人生は、この国にとって実はかけがえのないものだったということを改めて知ることは、決して意味のないことではありはしまい」

 

甘利大臣のような国際的な仕事ができる政治家の未来を奪ってしまったことが日本にとって良かったとは思えない。

何とも息苦しい世の中になっていると感じるのは僕だけであろうか。

甘利氏の無念を噛みしめながら人生の不条理に向き合いたいと思う。

それでは2月もよろしくお願いします。

 

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