司法書士法人石川和司事務所

小説『花と龍』の玉井金五郎

こんにちは、石川和司です。

前回は男気と将来キャッシュフローの増大という視点で広島の黒田投手について触れました。

今回は、火野葦平が書いた小説『花と龍』の玉井金五郎に関する男気について感じたことを簡単に触れてみたいと思います。

『花と龍』は、明治の終わりから戦争に突入する昭和12年くらいの福岡県にある若松港(現在の北九州港)における沖仲仕という過酷な労働現場での人生模様として描かれています。

玉井金五郎と玉井マンは実在の人物で、芥川賞作家であり著者でもある火野葦平はその実子です。

そのため、事実に基づいたリアリティと臨場感のある小説となっています。

そもそも、なぜ『花と龍』かと申しますと僕の父が青年期を過ごしたのがまさにこの戸畑、若松という気性の荒い北九州でした。

そのため、小さい頃から村田英雄の『花と龍』を歌う父や小説『花と龍』について語る父と濃密に接してきました。

父のパーソナリティーを形成するうえで重要なファクターが北九州という土地柄、時代背景、人情などにあると考えておりましたし、そのことが僕自身の教育にも強く影響しているように思えてならないのでした。

40才を過ぎてようやく小説『花と龍』を読むことにより僕は遺伝的に父との邂逅が出来たような気がしました。

玉井金五郎、マン夫婦は、暴力が蔓延し不条理で埋め尽くされている若松港において、度胸と正義感で沖仲仕という過酷な仕事を通じて成長していく日本を支えていました。

後の玉井金五郎は、事業家としても成功し、労働組合を作って労働者の権利擁護、市議会議員となり政治家としても活躍しました。

小説の中で、著者である火野葦平こと長男勝則が父金五郎がお膳立てした縁談を断り、別に婚約者がいる芸者光丸との結婚を認めたときのセリフが特に印象的でした。

「なんとかなろうわい。どの道、あっちも、こっちも、丸く、・・・・そんな具合には行かん。おれは、いつの間にか、ヤクザ仁義の毒に、食いつかれちょったことに気づいたよ。顔ーーーなんでもかんでも、顔。・・・顔をつぶした。顔が立たん。顔に泥を塗った。顔に免じて。今度の縁談でも、大庭親分の顔をつぶしたらいかん。くずれたら、俺の顔が立たん。・・・そんなことばっかり考えて、かんじんの勝則の気持ちは、二の次にしとった。名高い藤本組との結びつき、・・・慾もあったかも知れんなあ」

現代でも、欲と世間体などで本来考えなければいけない人の気持ちに真摯に向き合っていないときがあります。

侠気と優しさ、忘れることがないように生きたいです。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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